名古屋・老舗革靴工場「マドラス」とのパティーヌ仕上げ体験会レポ!

パティーヌ仕上げ体験

こんにちは。ファクトリエ星が丘テラス店 店長の深井です。
今回は5月26日に名古屋店で実施された”老舗革靴専門店マドラス”とのモノづくりカレッジについて、イベントの様子をレポートいたします。

マドラスの工場が愛知県にあることは皆さんご存知でしたか?
愛知県丹羽郡にあるマドラスの本社工場では主に紳士靴が製造されており、29名の職人が在籍。年間なんと75,000足もの靴を作っているそう。

ファクトリエのレザースニーカーを手掛けるマドラスでは、どのようなものづくりがされているのでしょうか?マドラス本社工場 工場長の松浦さんと、職人の渡辺さんにお伺いしました。

トレーニングジム開設経験を持つ異色の工場長

第1部では工場長の松浦さんとの対談。実は松浦さんは、とても多彩な経歴をお持ちです。
新卒でマドラス株式会社に入社後、営業職として百貨店で靴の販売などを経験され、一度マドラスを退職してトレーニングジムを開いて加圧トレーニングのトレーナーをされていたそう!「この道一筋!」な工場長さんが多い中では珍しいと山田も驚いていました。

そんな松浦さんに、マドラスの靴づくりについて、革靴の専門用語を紐解きながら詳しくお聞きします。

グッドイヤー製法とマッケ製法の機械を日本で初めて導入

(山田と松浦工場長による、Q&Aでお送りします。)

Q.マドラスが得意としている”マッケ製法”とはなんですか?
※よくマッケイ製法と聞きますが、工場長曰くマドラスでは「マッケ製法」と呼ぶそうです!

A.靴の底と甲革を縫い合わせて繋ぐ製法のことです!

■もともとは糊(のり)で接着する「セメント製法」が主流だったが、履いているうちに剥がれてきてしまうという難点があった。
■そこで開発されたのが靴底と甲革を縫い合わせる「グッドイヤー製法」。しかし、グッドイヤー製法だと靴全体が大きくなってしまう・・
■これを解消するために生まれたのが、底が薄くて履きやすく見た目もスタイリッシュな「マッケ製法」

ちなみにマドラス株式会社はもともと亜細亜製靴として創立し、イタリアのマドラスと技術提携を結んだことでマドラス株式会社となったそう。この技術提携を通してグッドイヤー製法とマッケ製法の機械を日本で初めて導入したそうです!
常に時代の最先端の技術を取り入れた靴づくりをされてきたことが分かりますね。

パティーヌ仕上げの世界大会で最優秀賞に輝いた職人が在籍

Q.マドラスの本社工場には「パティーヌ仕上げ」の世界チャンピオンがいるそうですが、「パティーヌ仕上げ」とは?

A.「パティーヌ仕上げ」とは、イタリア発祥の靴の仕上げの手法です。

■パティーヌとはラテン語で「経年変化」という意味で、仕上げに変化をもたらす加工。
■経年したように見えるように染料を重ねて独特な風合いを出す。

マドラスの本社工場にはパティーヌ仕上げの世界大会で最優秀賞に輝いた石本さんという職人さんがいらっしゃり、石本さんは15歳からマドラスで経験を積んで5年前の47歳の時にグランプリに選ばれたとのこと。この世界一の技術を若い職人に継承することにも取り組んでいるが、40年の歳月をかけて習得した、感覚と経験の両方を必要とする技術のため、難しいそうです。

パティーヌ仕上げされた靴
(パティーヌ仕上げされた靴)

靴づくりは95%が職人の手作業

Q.工場ではたくさんの機械を見ましたが、人の手作業と機械のバランスは今どうなんですかだいぶ機械化されているんでしょうか?

A.95%が人間の手で行われています。

■天然素材である革を扱っている以上、革の良し悪しを機械で判断することは非常に難しいので、職人の目で見て、触って確認&見極めながら行うことが欠かせない。
■マドラスが仕入れている革はほぼ1級(血筋やしわが無い革)。牛の半裁(※)を無駄なく使うように型を取るのも職人の技。
※半裁:牛一頭分の革を丸革と呼び、その丸革の背中側から切り分けてできる2枚の革の1枚分のこと。
■パターン(紙型)を切ったり、縫う工程は機械で行っている。

やはりマドラスの製品クオリティの裏には、職人の丁寧な手仕事が欠かせないのですね!
第2部では、職人である渡辺さんより靴の成り立ちについて説明していただきます。

「靴のなりたち講座」&職人から教わる革の染色体験

第2部・靴のなりたち講座開始

革靴が出来上がっていく過程を、実物を見ながら解説してくださいました。
皆さん渡辺さんのお話を真剣に聞き入る姿が印象的。

断面靴の話では職人の方が鋭いナイフでスパッと切ったんですよ!
中心にコルクが入っていたりと出来上りからは想像出来なく地層のようでした。

サイドマッケイ縫い目は少しでも歪むと目立つので腕のある職人が専用のミシンで縫っている。
革は生き物で、手作業も多いので厳密に測ると全て微妙にサイズが違う。など、作り手ならではのお話を聞かせてくださいました。

パティーヌ仕上げ体験

そしていよいよ革の染色体験(パティーヌ体験)!
革靴を作った際に出た端材を栞(しおり)の形にカットしたものに、有機溶剤を刷り込んでいきます。

パティーヌ仕上げ体験の様子

「グラデーションにしたいのに、色が思った以上にしっかりのってしまう!」など、なかなか思い通りに染まらず、想像していた以上に難しい。パティーヌ職人の技がどれほどすごいものなのか、実感することができました・・

パティーヌ仕上げ体験の様子2

世界に一つのオリジナル栞が出来上がったところで、今回のものづくりカレッジは終了。
服作りとはまた違う、革靴づくりの奥深さや難しさを感じることができたイベントとなりました。
参加された皆様、マドラスの松浦さん、渡辺さん、どうもありがとうございました!

マドラス×ファクトリエイベント集合写真

7月27日には、マドラス本社工場にて工場ツアーを開催!

普段はなかなか見ることのできない職人の技を間近で見ることのできる特別な体験です。ご興味のあるかたはぜひ参加されてみてくださいね。

▼7月27日 マドラス本社工場ツアー詳細・お申込みはこちら

以上、ものづくりカレッジのレポートでした!

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