【アパレル工場探訪 Vol.5】 日本屈指のニット産地、新潟県五泉市産業集積地だからできること ~ニット産地から五泉ブランドに~

ファクトリエが提携するアパレル工場の方々に、ものづくりにかける想いやこれまでのストーリーや想いをお伺い紹介するコーナー「Factory」。

今回は、製造数日本一のニット産地と言われている五泉市にある株式会社川島を特集します。

新潟県五泉市
~その名の由来~

新潟県五泉市。
新潟県のほぼ中央に位置する人口5万人の町で、名前のとおり、上質できれいな水が豊富にある地域です。五泉市は、その名前の由来として「5つの泉が湧き出ていたから」「5つの川が流れていたから」など様々な説が言い伝えられているほど、良質で豊富な水資源に恵まれています。

その水資源を活かし、古くから絹織物の産地として発展してきました。その歴史は、約200年前の江戸時代に袴の白生地である「五泉平」(ごせんひら)が織られたことに始まります。この絹織物は今でも、五泉の伝統産業となっています。

その後、戦後にはニット産業で目覚ましい発展を遂げ、全国三大白生地産地として栄えてきました。そんな日本全国を見渡しても類まれなる産地が形成されている五泉市で、未来に向けて常に前進し続けるとともに、産地を引っ張っていってるニット工場が川島です。

厳しい環境を乗り越えろ!
産業集積地という強みを生かしたものづくり
~産地から五泉ブランドへ~

産地から地域ブランドへ

五泉市はいまでも日本一の生産高を誇るニット産地です。
日本全国に点在した様々な産地が消えゆく中で、ここまでしっかりとた産地が形成されて残っているのは、すごいことだと川島の社長、川島幹生さんは言います。

なぜそんなにしっかり残っているのか。長年培ってきた全国屈指の技術力があるからだけではありません。産地を残そうという強い想いがあるからこそ、残っているのです。その例の一つが、五泉のニットを世界に羽ばたくブランドにしようという取り組みをしているところ。いわば、地域ブランドをしっかり作っていこう、というのです。

五泉ニットのホームページがあるだけでなく、その中には、五泉ニット地域ブランド化事業という項目がしっかりとあるほどです。展示会でも工場個々で出るのではなく、「五泉ニット」として出店したりするほか、五泉市の企業が加盟しているニット工業協同組合でも多くの取り組みをしています。

昨年からはついに、五泉ニットのブランドロゴが完成し、ますます一丸となって、ブランド確立に向けて頑張っています。

ニット工業協同組合 青年部の活躍

ニット工業協同組合でも、特に10数名の組合員で構成される青年部。この青年部の外部への取り組みがすごいんです。その中の一つが、五泉ニット組合青年部会主催のやろてば展示会。今年でなんと10回目を迎えました。

「五泉から全国に元気を!」をテーマに、五泉ニットシーンの次の時代を担う若手達が集まって行っています。99.0%が海外製という、現在のニット製造業界。「わずか1.0%の日本生産比率を再び2.0%に戻す」ことを目標にしています。この告知がおもしろく、その時に流行っているテレビなどをうまく取り入れたチラシを作っていて、毎年届くのが楽しみなんです。今年のものはまだ五泉ニットのサイトに掲載されているので、ぜひご覧になってみてください。

この青年部の皆さまが頑張っているからこそ、もう一つ素晴らしいことが。お伺いすると、青年部の次世代の息子さんたちは、かなりの確率で継ぐことを決められているそうです。これはアパレル工場ではすごいこと。未来を見据えて頑張っているみなさんの輝いている顔や楽しそうな姿を見ているからこそ、自分も頑張りたいと思うのかもしれません。そしてしっかり産地として残そうという想いがあるからこそ、次世代につなげるのだと思います。

産業集積地という強み

ですが、産業集積地のメリットは何か?と聞かれるとすぐにはわからない人のほうが多いかもしれません。ですが、川島さんにお伺いしてとても納得し、これこそが五泉ニットの強みなのだと実感しました。五泉ニットの強み、それは各工場の技術力の高さはもちろん、五泉ワンストップでニット製品が完成できることにもあります。

ニット工場だけでなく、染色工場、ボタンやファスナーなどを手がける企業、ネーム・タグメーカー、ラベルなどのメーカー、すべてが同じ地域にあります。それが産業集積ということ。これだけのインフラ整備がされている地域は、全国を見渡してもありません。つまり、1カ所でニット製品を創り出すことができるのです。

例えば、突然の変更やトラブルが発生した時などでも、すぐに取り寄せたり協力を仰ぐことができるため、時間をロスすることなく上質なニットづくりに取り組むことができます。関連する業種がすぐ近くにあることで、緊密な横の連携が生まれています。

この横のつながりこそが、五泉の大きな強みなんです。彼らが、日々切磋琢磨して技術を高めあいながら、助け合いながら最高のニットを日々作っています。日本最大のニット産地は、産地の“つながり”と“技術”、未来への想いが集まって出来上がっています。

#タグ

関連の記事

Follow Me!