【アパレル工場探訪 Vol.12】日本製のジーンズが世界に「本物」と認めさせた デニムの聖地『児島』

ファクトリエが提携するアパレル工場の方々に、ものづくりにかける想いやこれまでのストーリーや想いをお伺い紹介するコーナー「Factory」では、様々な日本のものづくりの現場をお伝えしています。

今回は、国内外から高い評価を受けるジーンズの産地、岡山県児島にある「JAPAN BLUE」をご紹介します。

「JAPAN BLUE」の経営理念

世界中で長く愛され、時代に根付く「本物」という価値観を、「青」にこだわり、極め続けることで、創造。

日本の「伝統」や「ものづくり精神」を大切にし、独自の視点を持った企画開発を邁進し続けることで、この目標を実現。

この目標の実現のために、強い志と自信、夢と輝きを持った集団を目指す。

音・振動・感触といった五感でおこなうモノづくり

世界25ヵ国に発信するデニムメーカーが作る「JAPAN BLUEジーンズ」
この児島から世界中に発信し続け、現在では欧米、アジアで取扱われるブランドになりました。
そんな藍布屋で、素材・シルエットに特にこだわりをもってできました。
2013年9月には児島に直営店をオープン。

日本の「伝統」「ものづくり精神」を大切にし、アナログな機械を扱うだけに、音・振動・感触といった五感でわかることを大切にします。

大きな音が鳴り響く中、各機械音の異変を見分けて手直ししていく。これは相応の経験が必要で、デニム以外の商品も織っていたからこそ、デニムの枠にとらわれずにモノづくりを行えているのも強みかもしれません。

素材の特性を最大限に生かした生地づくり
〜余念のない品種別の配合〜

硬めのジーンズには、デニム本来の持つ硬さ、丈夫さを出すためUSコットンを使用。
それに対して、履きやすいソフトな生地感でありながら「デニムらしさ」も残したいというジーンズには、ジンバブエコットンとメンフィスコットンを使用するなど、綿の産地から徹底的にこだわっています。

ジンバブエコットンやエジプトコットンは高級綿で、そのまま使うとイメージよりもきれいめになり過ぎてしまう。

ラフなイメージをプラスしたい場合は、メンフィスコットンを独自の割合で配合。また、落ち着いた色味にしたい時は裏側に多く出る緯糸を茶綿にしたりと、品種別の配合にも余念がありません。

耐久性は強いのに経年変化が楽しめるジーンズの完成

2010年、JAPAN BLUEジーンズへの取り組みを開始。
2年前はストレートジーンズが多く、ジャパンブルーもタイトストレートモデルで細身のジーンズは作っていたが、履いただけでもっとスタイリッシュに見えるシルエットを研究していました。

日々サンプル作りを繰返し、自然なシルエットが出るよう、トラウザーのシルエットの寸法を活用して作り上げた試作品は50本以上

バックポケットの位置・大きさを、ヒップが小さく見えるよう微調整し、わたり(太もも)は太くせずにシルエットを重視。
縫製糸は、ヴィンテージメーカーが愛用する綿糸(経年変化で色落ちするが耐久性が低い)ではなく、コアスパンを使って耐久性を強めています。

日本製のジーンズが世界に「本物」と認めさせた
デニムの聖地『児島』

国産ジーンズを日本で初めてつくった岡山・児島。
「デニムの聖地」と呼ばれ、現在では日本にとどまらず、世界各国のブランドから注文が殺到しています。

JAPAN BLUEジーンズは周りの環境があったから完成したと思っている。
なぜなら、会社から車ですぐの場所に付属屋さん(ボタン等)、糸屋さん、洗い屋さん、縫製工場さん等すべて整っているからだという。

最後に、JAPAN BLUEの職人である内田茂さんは、
「産地のつながりや人脈に感謝し、これからも愛されるデニムを作っていきたい。」
と語ってくれました。


いかがでしたでしょうか?
今日の工場紹介はここまでで。

語れる「もの・こと」がぎゅっと詰まったJAPAN BLUEのジーンズ。
人々に愛される理由がよくわかります。

それでは、次回もお楽しみに。

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