湧き水が1日22万トン湧き出る水の都、-島原でのお米づくりの話

私は普段、IT企業にて、マーケティングのサービスを提供する仕事をしています。
小さな頃から、日本の古民家やものづくりにどうしようもなく惹かれてしまうところがあるのですが、わたしはとんでもなく不器用なため大好きなそれらを作り手として支えることはできません。
ですが、それらの素晴らしさを「知ってもらう」ことはできる。そう思ってマーケティングの仕事をしています。

これからファクトリエさんの「日本の良いものを紹介する」というとても素敵なこの場所を借りて私のささやかな取り組みやものづくりに関する記事をいくつか書かせていただきますので、お付き合いいただけると嬉しいです!

今回はものづくりのなかでも「農業の米作り」にスポットを当ててお話します。

島原半島で火山と湧き水のめぐみで育つ「湧き水米」

私の祖父母、親戚家族が協力してお米づくりをしているのは長崎県の島原半島。
もともと火山の噴火で生まれた半島で、火山の恵みでできた地層たちが1日22万トンもの湧き水を生み出し、温泉を沸かせ、肥沃な土をつくってくれます。
農業をするにはとても恵まれた地域です。

山の傾斜に沿って段々になった美しい田んぼを代々受け継ぎ、愛情こめて米作りをしてきました。

毎日のどんなおかずも上手に引き立てる優しいお米

お米の品種は「ひのひかり」。父:コシヒカリと母:黄金晴の双方のいいところを合わせたお米です。コシヒカリほどの強い個性はないですが、その分おかずを優しく受け止めてくれるんです。

口に入れたときの「もっちり感」と「甘みの強さ」が特徴で、「一つ一つの粒が強いので、お米の上に具をたっぷり載せてもなかなか潰れない」だったり、「冷めても美味しい」と言ってもらえることも多く、おにぎりやお弁当にも最適なお米です。

お米の甘さをより感じられるよう、あえてつくる「寒暖差」

山間の冷たい湧き水をあえて気温の下がる夜に引くことで、田んぼを一気に冷やし、
昼はせき止めておくことで太陽の力を借りて水温を上げる、この作業を毎日繰り返すことで
噛むほどに甘みの引き立つお米になるのです。

山間の飲める湧き水をそのまま田んぼへ

幸いにも田んぼが山間にあるため、冷たく冷えた綺麗な湧き水をそのまま入れることができます。
不純物が少ないせいか、海沿いの同じ品種のお米よりも美味しいといわれます。

島原の湧き水は名水百選に選ばれ、中でも炭酸とミネラルを多く含んでいるのが特徴です。

島原一体に言えることですが、水不足とは縁遠く、栄養のある水をたっぷりお米に与えることができるのはとてもありがたいです。

農業の課題。
こだわりをもって育てても
届くときにはいろんな地域でつくったお米とまぜこぜに

お肉もお野菜も同じことが言えるのですが、一般的な流通だと、「○○県産の△△」という形で、育て方の特徴や、こだわりが全く違ったとしても、地域と品種でくくられて一緒くたになって食卓に届きます。そして、美味しさが違ったとしても同じ値段で扱われ、さらに、島原ではお米の卸価格(1キロ290円程度)で売られることが当たり前になっており、流れを変えられずにいます。

その影響から、こだわる作り手が少しずつ農家をやめていってしまう状況が続いているのです。

私は島原のお米がずっと食べられるように、作る人達の継続性があり、誇りあるものにしたいと思っており、一番身近な家族のお米を東京で売ることからやってみることにしました。

大都会東京で作る人と食べる人をつなげる、楽しくて美味しい「FAEMERSBBQ」

東京で初めてお米を提供できることになったのは、「FAEMERSBBQ」という吉祥寺にあるバーベキュー屋さんでした。
作る人と食べる人をつなげることをテーマにした素敵なバーベキュー会場です。そこで提供されるものは生産者さんから愛されて育てたことがわかる美味しい食材たちが揃っています。その中に「御釜ごはん」として仲間入りしています!

島原のお米と一緒に「美しい島原自体の魅力も」を伝えたい

遠く離れた東京で、島原のお米を食べてもらう、感想をもらって写真とともに作り手の家族に伝える。

そんなやり取りが楽しくなり、田んぼの風景も見せながら説明するようになると、「どんな場所なの?」「どうやって行くの?」というように「島原」についてたくさん質問をもらうようになりました。

紹介をしているうちに、“お米を食べてもらう際にうちの田んぼの風景を思い浮かべながら食べてもらえたらもっと楽しいかな、合わせて島原の魅力も伝えて、いつか島原に遊びに来たいと思ってもらえたらいいな。”そう思うようになりました。最近はネットでもお米を販売し始めましたが、届いた際にお手紙等で伝えられるようにしています!

作る人と食べる人、そして「伝える人」が必要

いつも思うのは、やはり作り手は丹精込めてつくることで本当に精一杯だということ。だからこそ、笑顔で楽しく食べてもらうためには「伝える人」が間に必要だと思うんです。こだわりや背景、そして作り手の愛情が食べる人、使う人にできるだけ伝わるようにすれば、よりあたたかな気持ちになってそのもの自体への愛着がわくのではないかなと思います。

ファクトリエだと、コンシェルジュさんたちがまさにその「伝える」役割を担っていますね。
わたしもファクトリエの服を手にとって身につけるときはコンシェルジュさんたちに教えてもらった職人さんの愛情まで纏った気持ちになって、楽しい気持ちで出かけることができます。
ちょっとだけそんなふうに思う場面が衣食住の場面で増えたらいいなと思っています。

次回は島原の美しい魅力をお伝えしたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします!


■宮崎一家の雲仙島原湧き水米
・お米通販サイト:https://farmshimabara.stores.jp
・Instagram:https://www.instagram.com/farmshimabara/
・FARMERS BBQ公式サイト :https://farmersbbq.jp/

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