ファクトリエアンバサダーの高田直美です。
複業でものづくりの職人の皆さんに取材などもさせていただいていますので、色々とものづくりの魅力を発信していきたいと思います。
今回ご紹介するのは、創業105年の革小物専門「東屋(あずまや)」さんです。
もちろんファクトリエさんと同じく、“メイドインジャパン”です。
■AZUMAYA
▼http://www.azumaya.tokyo/index.html
すみだ3M運動の小さな博物館の袋物博物館
墨田区は、「すみだ3M(スリーエム)運動」という事業を1985(昭和60)年にはじめました。
3Mとは、下記の3つの頭文字です。
Museum:「小さな博物館」。
Manufacturing shop:工房と店舗の機能を備えた、製造と販売が一体化した「工房ショップ」。
Meister:付加価値の高い製品を創る技術者である「マイスター」。
3つの運動を有機的につなぎ合わせ、すみだの優れた産業と生産品が「正当な評価」「より高い評価」を受けることを目指すとともに、ものづくりの素晴しさや大切さをアピールするものです。
このすみだ3M運動に東屋さんも賛同して、「袋物博物館」を2004年に開館しました。袋物博物館はJR両国駅から徒歩7分。東屋ビル中2階です。
第2次世界大戦時の空襲を逃れ、
当時のままの屏風も残る
電話をしてから伺うのですが、気づかずに直接伺ってしまい、たまたま社長の木戸さんがいらっしゃり、館内を案内してくれました。
この場所は第2次世界大戦時の空襲を逃れ、当時の屏風も飾られています。
テレビでも取り上げられた職人技で作られた「がまぐち」も飾ってあります。
また、2013年に100周年を迎えた際の記念の「手ぬぐい」も展示されています。
【恥ずかしエピソード】
私が、別の機会に伺った際に木戸社長のお母さんが解説をしてくれたのですが、実はこのとき、お母さんがご用意されていた「サプライズ」を台無しにしてしまいました・・・。
「荷物が多い方は置いて見学していいですよ」と言われ、何も気にせず手荷物を入口付近の床に置いた私。
(この床にちょっとしたサプライズが潜んでいたとは何も知らずに・・・。)
実はこの床、壁に飾っている革がワニ革であることを示すために、その真下のこの床に切れ端の革で「ワニ」の文字を作っていらっしゃったのです。
私がその近くに荷物を置いてしまい、みんなが驚く部分を隠してしまいました。お母さん、すみません(汗)。
お母さんの茶目っ気さが少し伝わればと思います!
東屋創業100周年記念として誕生!
自社ブランド「まるあ柄」が
数々の賞を受賞
2014年、東屋創業100周年を記念して、自社ブランドの革小物シリーズ「まるあ柄」を開始。
きらきらした光、雨のしずく、朝もやなど、『すみだ』の川面に映り行く美しい表情をイメージして作られた革小物シリーズ。
1898年創業MONFRINI社のイタリアンレザー(牛革素材)を使い、エンボス・スクリーン加工等で高い技術を持つ、株式会社ヨシオカ様(創業明治38年・台東区)による「まるあ柄」のプリントと、東屋が誇る熟練職人が合わさり作られた、こだわり尽くしのアイテムです。
(袋物博物館に隣接して「SALON・SHOP」があり、AZUMAYAの自社ブランドギャラリーとして、まるあ柄シリーズの展示場所としても活用されています)
このまるあ柄シリーズは、平成29年(2017年)には、「まるあ柄シリーズ すみだモダン2016認証」、「”粋” HOKUSAIシリーズ 第11回TASKものづくり大賞 奨励賞」、「一般社団法人 企業価値認定協会より 企業価値認定」の受賞をされています。
そして、今年、平成30年には、ついにニューヨークで出展!
“墨田から世界へ”を一歩ずつ進んでいらっしゃいます。
日本の革製品を見直すきっかけに
私は目立たない文房具を持つことが多い中で、まるあの金色のペンケースを使っています。
使い始めは気恥ずかしい感じもしましたが、使えば使うほどなじんで、愛着が湧いています。
かなり使いこなしていますが、どんどん自分の革製品になってきて、いい感じです。
日本製で良い製品はたくさんありますね。
ぜひ皆さんも足を運んでみてください。