北海道・オーダーコート工場へ初訪問!旧第一銀行の跡地をそのまま縫製工場に!【工場体験ツアーレポート】

こんにちは!
先日1月26日(土)、“北海道”にある縫製工場で「工場体験ツアー」を開催し、私中島が引率させていただきました。

北海道での工場体験ツアーは今回が初めて!

訪問させていただいたのは、オーダーコート工場です。
この工場は、創業明治38年という非常に長い歴史を持つ愛知・四日市の生地工場「御幸毛織」のグループ会社の縫製工場。

名前は「トップジェント・ファッション・コア」

ファクトリエのオーダーコートはこの工場で作られています。

今日はこのオーダーコート工場への「工場体験ツアーレポート」をお届けします!

北海道といえばサービス産業のイメージがあると思いますが、世界に誇るこだわりのものづくりをしている一流工場がある、ということをぜひ皆様に知っていただきたいです。


個人的にも初の北海道!旅行気分ですみません!笑

新千歳空港に到着しようとする飛行機の中から、真っ白で広大な大地が目に入ってきました。私は初めての北海道にドキドキとワクワクを胸に降り立ちました。

しかし、空港の外に出てみると・・・・。

 「寒い…」

自然と口から漏れていたと思います。温度計を見ると、、、マイナス4度、、、、。

そして到着してすぐ驚いたのが、札幌に外国人観光客が溢れていたこと。
普段銀座で見慣れている私ですが、それ以上かもしれません。小樽行きの電車に乗ると、僕の周りからは日本語以外の言語が飛び交っていました。
新千歳空港から札幌まで快速エアポートで40分。札幌から小樽までこれまた40分。北海道の広さに改めて驚きました。


「こんな場所に来てくれるのか・・・」そんな職人の心配をよそに満員御礼!

小樽駅改札前集合。ファクトリエの工場体験ツアーは現地集合・現地解散
こんな大胆なコンテンツがあるでしょうか。笑

ちなみん、アパレル業界一筋の工場の社長や職人さんは、ツアーの前にこうおっしゃっていました。

  「ほんとにわざわざこんなとこまで人来るの?興味ある人いるの?」

しかし、そんな心配もよそに、この工場体験ツアーはすぐに定員に達してしまうほど人気のコンテンツで、今回も15名が参加
(これには工場の皆様も驚かれていました)


集合時間前になると、参加者の方々が続々と集合。
御幸毛織の岡野さん、石飛さんを始め、工場体験ツアーお馴染みの方や初めましての方。皆様少し緊張した面持ちでしたが、集合して30分で打ち解けることが出来ました。
なぜでしょうか。簡単です。ご馳走を皆で食べたからです。

北海道といえば海の幸。この極寒の海で引き締まった魚を職人さんが握ってくれました。

「魚真」

今回お邪魔したお寿司屋さんの名前です。
どれも新鮮で、特にネタがとっても大きいんです。こんな贅沢なお寿司は東京では中々味わうことができません。

食事をしながら工場ツアー恒例の自己紹介タイム開始!
こんなご馳走をいただきながらのランチで仲良くならないわけがありません!


食事を終え、雪の中を歩く事10分くらいでしょうか。
なにやら風情のある建物がたくさん見えてきました。

この辺りは「北のウォール街」と呼ばれた大正ロマンの香りが残っており、日本というよりも西洋の雰囲気に近いものがあります。小樽運河も流れる風情あるこの街並み。

歴史遺産散策をしているかのような気持ちで周りを見ていると、ひときわ風格のある建物が現れました。

ご察しの通り、ここが目的地である縫製工場です。

まさかここで服を作っているとは誰もが思わないでしょう。
旧第一銀行の跡地をそのまま縫製工場として利用しています。

皆さんの口からも「ここですか!?」「え!?」驚かれておりました。

扉を開けるともう驚きばかり。

私も色んな工場に見学に行っておりますが、こんなオシャレな工場は初めてでした。いきなり大理石の壁や床があって、柱には彫刻が施されているのです。この4階建ての建物は、小樽の風情荘厳な雰囲気さえ漂っていました。真っ赤な絨毯が引かれた階段を登っていくと、社員食堂で工場の方々が温かく迎えてくれました。

まずは縫製工場の河村工場長がご挨拶からスタート。

  「ここ北の大地、小樽に縫製工場があるということ自体が意味のあることなのです」

そうおっしゃられていたのがとても印象的でした。


ここからはグループを二つに分かれて工場見学がスタート。

①パターン・CAD室:一人ひとりサイズが違うオーダーコート。ミリ単位の調整を行う場所

ここは、いわば「工場の指令室」

オーダースーツ、オーダーコートのサイズ調整や型紙出力をして全行程の基盤となる非常に重要な場所です。オーダーの服は1人1人サイズが違うので、ミリ単位での調整になります。
データを入力すると近くの機械に送られ、データ通りのパターンが型紙にペンで記されていきます。そのまま裁断まで行い、あっという間に型紙の完成です。


②裁断場:裁断して「柄合わせ」。柄を揃える作業をまさかの手作業で!

次に、先ほど作成したデータ通りに実際に生地を裁断していきます。

また「表地」を綺麗にエージングするための機械を見学。

皆で口を揃えて驚いていたのは、「柄合わせ」を手作業でやっていたこと。様々な色柄がある生地と生地を縫製して縫い合わせる際、柄がズレないように柄を合わせる作業が必ず必要です。機械化が進んだ縫製工場において、今だに職人さんの手作業によって、寸分の狂いなく行われていることが衝撃的でした。

スーツやコートをオーダーする時、「無地」の生地と比べると「柄物」の方が多少納期が遅くなることがあります。その理由がこの「柄合わせ」にありました。無地の場合は「柄合わせ」が不要になるため少し早くなる。確かにこれは納得です。


③本工場:天然繊維を加湿装置で安定させる工程に驚き

各チームに分かれて、1着ずつ丁寧にスーツを縫い上げていく流れを見学。

ここで珍しい機械を発見!

この“サウナボックス”のような機械は、スーツの身頃部分の「表地」と「芯地」をなじませる加湿装置。装置に生地を通すこの作業は手間が増えますが、完成度に全然違いが出るそうです。少しの湿度や乾燥で生地が伸びたり縮んだりする天然繊維を扱うことは非常に難しいことを学びました。


④プレス場:完成品の出来上がりを左右する、プレス作業

スーツやコートの各パーツに対応できるように、様々な形をしたプレス台がたくさん並んでいました。職人さんのハンドプレスの技術を目の前で見学。自分のシャツを自宅でアイロンしているのがかわいく見えるほど、複雑な動作で高速にプレスを掛けていきます。

この工程でどれだけしっかりプレスがされているか。
これによって完成品の縫製がずれることなく、より立体的で美しい仕上がりになります。


⑤検品:クオリティに一番厳しいのは職人本人たち

作り上げた商品を厳しくチェックする工程。
商品のクオリティに一番厳しいのは、作った本人たちに他なりません。

当たり前といえば当たり前なのですが、ここを通ると商品が世界中に渡っていきます。お客様の手に渡るまでが仕事、という徹底した商品管理が世界中のブランドからの絶大な信頼を得ているのだと確信しました。


⑥ワークショップ:業務用ミシン体験で職人の技術の高さを実感

工場体験ツアー恒例の体験会です。

今回は御幸毛織の生地を使ったかわいいティッシュケース作りです。

工業用ミシンを使ってゼロからケースを作るのは、とてつもなく難しいので、職人さんに予め型を付けてもらい、最後の仕上げ工程を体験してもらいました。

工業用ミシンは、パワーもスピードも家庭用ミシンの何十倍もあるため扱いが難しく参加者の皆さんは職人の技術の高さを改めて実感したことだと思います。


⑦ファクトリエ通信:初の工場内からライブ配信!

毎週日曜日の20時からFacebookにて配信している「ファクトリエ通信」

これを工場から中継するという初の試みを行いました。
参加者の方が目の前で見ている中での配信は少し緊張しましたが、皆さん温かい目で応援してくださってとても気持ちよくお話ができました。(私はほとんど話していないですが笑)

詳しくはファクトリエのFacebookアカウントでご覧くださいませ。工場の中の様子が見える貴重な映像にもなっております。


工場体験ツアーが終わると有志でお食事に。

こうして新しい出会いがあるのも工場体験ツアーの楽しみの一つですね。ちなみに私はその食事会には参加できず、東京へ戻りました…。後から皆さんで作ったLINEグループに楽しそうな写真が送られてきました笑。

あっという間の初北海道でしたが、目に入るもの全てが新鮮に映りました。頬に当たる風は、ここが日本で一番寒いところだということを文字通り肌で感じることができました。砂糖菓子のような雪は幻想的な風景を創り出していました。
工場ツアーの目的はファクトリエが主役だと考える「お客様」と「工場」を繋ぎ、ホンモノのものづくりを体感してもらうこと。
是非たくさんの方に参加頂きたいです。

遠路はるばるご参加いただいた皆さん、お忙しい中ツアーに全面的にご協力いただいたトップジェント・ファッション・コアの方々、御幸毛織の岡野さん石飛さん、美味しいお寿司を握ってくださった魚真さん、ありがとうございました!

#タグ

関連の記事

Follow Me!