【工場ツアーレポート】1日100着のスーツを作る栃木のスーツ工場「那須夢工房」へ訪問!

こんにちは!
ファクトリエ・銀座店コンシェルジュの中島ゆです。

2018年11月24日(土)。
今年の夏はとにかく暑かったです。

11月でも気温が20度を超える日があるほど、残暑が続きました。

そんな中、毎月恒例のファクトリエ名物「工場体験ツアー」を開催。訪問したのは、栃木・那須塩原にあるスーツ工場「那須夢工房」です。

ひどい暑さを想像して駅を降り立ったものの・・・実際はとても寒かったのが印象的でした。

聞くと、「那須高原は夏でも避暑地になるほど涼しいところ」とのことで、この気候もスーツ作りに向いているのかな?と気になりました。


工場体験ツアーは現地集合!

集合は、那須塩原駅改札前。

工場体験ツアーでは参加者の皆さんに、現地集合で集まっていただきます。

続々と集まる参加者の顔ぶれを見ると、ツアー常連の顔馴染みの方や、私が初対面の方々も。那須夢工房が用意してくださった車でひとまず道の駅へ腹ごしらえに。

道の駅「那須与一の郷」は平家物語にも登場する弓の名手、那須与一ゆかりの里だそうです。大きな銅像が目印ですね。堂々たる姿。


恒例の自己紹介ランチ!

注文したお蕎麦はとても絶品でした。
その後はしっかりご当地デザートまで。なんと「ピーマンジェラート」!

うーん、奥深い味です。。。


美味しい食事を済ませていよいよ工場へ

今回のツアーで訪問した「那須夢工房」は、日本のブラックフォーマルの祖である「カインドウェア」を親会社とする、日本を代表するスーツ工場です。

普段、銀座店にてスーツコンシェルジュを担当する私としても、この日を心待ちにしておりました。

スーツが作られる工程順に見学させていただきました。

(1)CAD・裁断機

まずは巨大な裁断機を見学。

この大きな機械の上に直接生地を置いてデータを送ると、なんと自動で機械が生地を切り取っていくのです。
この後職人が細かい縫製をする前の大事な作業。横では機械だけでなく職人さんが手作業で裁断をしていました。

一気に何十枚も重ねて少しのズレもなく裁断するのはとても難しい作業を、慣れた手つきで裁断していく様子は、生地に命が吹き込まれていくようでした。


(2)柄合わせ

ストライプの柄を手作りの糊のような印でつけていきます。
少しでもズレるとスーツにした時に、ストライプのラインがずれてしまい、美しくなくなってしまいます。
あまりの早業に簡単そうに見えますが、相当な熟練技です。


(3)生地の保管所。まるで牛肉を熟成させるように生地を寝かせる

縫製工場にとって、生地屋さんから生地が入荷した場合、すぐにでも縫製に移りたいもの。

しかし、那須夢工房では、最高の生地の状態を引き出すために、あえて裁断した生地を縫製するまで一晩寝かせます。

湿度や気温を管理した保管所の中でリセットすることで、仕上がりがさらに美しくなる大事な工程です。

“最高の1着のために”この想いを受けて手間暇をかけて作られていることを知り、感動しました。


(4)職人の道具管理

それぞれのハサミなどの道具には、職人1人1人名前が記され、管理されています。
以前弊社代表山田が、「良い工場は絶対に整理整頓がされている」と言っていたのを思い出しました。


(5)世界的にも珍しい工程!襟裏の型取りで左右対称の美しい襟を作る

世界広しといえど、この機械を使った工程を行うスーツ工場は那須夢工房くらい。
とても珍しい機械で、焼く前のクッキーの生地を押して切る「金型」のように、特殊な機械で襟の生地を抜き取ります。

こうすることで襟が絶対に左右対称になるので仕上がりがとても美しくなるのです。


「クオリティを落としてまでたくさんのスーツを作ろうとは思わない」

那須夢工房は1日に100着スーツを作っています。

一般的なスーツの工程数が100~150という中で、那須夢工房は250~300工程という膨大な数の職人技が詰め込まれています。
工程数を減らせばもっと多くのスーツを作り販売することは可能ですが、“今のクオリティを落としてまでは作らない”とおっしゃっていたのが心に残っています。

今の工程数の一つでも省くことはできない、そんな圧倒的なクオリティを持つスーツ縫製工場を見れたことが感激でした。

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