【工場ツアーレポート】和歌山ニット工場「丸和ニット」で挑戦し続けるつくり手たちと出会った話

こんにちは。ファクトリエ名古屋店コンシェルジュの上泉です。

春は出会いと別れの季節ですね。節目の春に新しいことに挑戦される方も多いはず! そこで今回は、3月頭に開催した工場見学ツアーのレポートと共に、ある工場の挑戦をお伝えさせていただきます。

その工場は、和歌山県の「丸和ニット」。古くから綿の産地である和歌山で80年の歴史を持ち、原糸・編機・後加工の開発を三位一体で行うニット工場です。編み機種を豊富に揃え、ほとんどの丸編生地種生産に対応。昔ながらの機械に改良を加え、代々と受け継いできた編み機を使い、絶対に真似できないテキスタイルを生み出しています。

ファクトリエではメンズ・レディースでそれぞれジャケットなどを展開しています!

超軽量でシワになりづらく、家でも洗えるという優れもののジャケットです!

▼メンズ・ デイリーウォッシャブルジャケット
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こちらもメンズと同じ素材を使った超軽量のウォッシャブルジャケットです!

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いざ、和歌山へ!

今回は私が旅のしおりづくりを担当しました

和歌山へ向かう新幹線内の一コマ。引率者の羽田野とワイワイ話しながら徐々に気持ちが高まっていきます!

和歌山駅に集合し、さっそく工場へ!ではなく、恒例の「まずは腹ごしらえ」です

和歌山駅からタクシーで数分の老舗洋食店「フライヤ」。和歌山出身の(グルメな)お客様にご紹介いただいた間違いないお店です。期待が高まりますね!

親戚の集まり感がありますが、違いますよ!笑
じゃーーーーーん!我ながら上手く撮れました。言うまでもなく、「おいし―――い!」です。普段口にしない食を味わえるのも、工場見学ツアーの楽しみの一つですね
今回はこんなにも可愛い参加者が! 「おいしい~」とご満悦でした

人となりを知る自己紹介タイム

「自己紹介はじめます~」と羽田野。美味しいものを目の前に満面の笑み!
羽田野に続いて、丸和ニットの「辻さん」(特技はマジック!)。今回のツアーで工場の案内をしてくださいます
新たなファクトリエの仲間「竹村」も参加者しました。3月からコンシェルジュとして銀座店勤務なので、これからよろしくお願いいたします
丸和ニットのベテラン営業「原さん」(休日はレスリングのコーチとしてキッズたちを教えているそうです!)。辻さんと一緒に工場の案内をしてくださいます
和やかムードの中で自己紹介が続きます
浜松から参加してくださったこちらの男性は、現在完売商品の丸和ニット×ファクトリエのライトジャケットを着てきてくださいました。色違いで購入するほどのお気に入りアイテムなんだそうです
それでは和歌山駅に戻るため、移動です

工場へ行く前に少し寄り道を

JR和歌山駅からローカル線の和歌山電鐵「貴志川線」に乗り、工場のある「竈山駅(かまやまえき)」へ向かいます。が、今回は「竈山駅」を通り過ぎて、終点の「貴志駅」に寄り道。せっかくなので、話題の観光スポットを見に行きます。ホームへ向かう階段では、可愛らしい猫ちゃんたちがお出迎えしてくれました。

私たちが乗るのは「たま電車」! 色々な電車があるようで、その中でも一番人気の猫型電車。引率の私たちはそこまでは計算していませんでした。参加者の皆様、ツイています!

車内はこのような感じです。猫ちゃんだらけ〜

参加者の皆様、早くも打ち解け、盛り上がっています。

丸和ニット 原さんとファクトリエ 羽田野。原さんが「写真は魂抜かれるで~」と叫んでいます笑
ご家族参加の皆様。ご夫妻で丸和ニット商品をご愛用されています

ご主人様は完売してしまったライトジャケット、奥様は撥水ツィードチェスターのオリーブカラーを着てきてくださいました。実はこちらのチェスターコートに使われている生地は、2016年ジャパン・ベストニット・セレクションにてグランプリ・経済産業大臣賞を受賞したという素晴らしい生地なんです。


終点の「貴志駅」に到着

たま電車、楽しかったです。降りたらまたかわいい!

駅舎が猫ちゃん! 貴志駅は、猫ちゃんが駅長をしていることで有名なんです
こちらが駅長のニタマさん。お昼寝中でした
1日乗車券、味があります
お子様だけがもらえるカード
たま駅長のたまみくじ
しおりの表紙にピッタリなスタンプ発見!

寄り道を楽しんだ後は、いざ丸和ニットへ!

丸和ニットへ向かう電車は、「いちご電車」
竈山駅に到着しました。無人駅です
駅からてくてく2、3分
丸和ニット到着です
広いです!
出荷作業中のトラック。大きいです

丸和ニットのものがたり

見学の前にまずは辻さんのお話を伺います

丸和ニットには、辻さんが入社するずっと前から「機械を買って改造する文化」がありました。今回の見学は、その改造をした編み機「バランサーキュラー」を見る事が目玉です! 企業秘密なので、写真に撮ることはできません。

・丸和ニットとは
冒頭でお伝えしましたが、古くから綿の産地である和歌山で80年の歴史を持ち、原糸・編機・後加工の開発を三位一体で行うニット工場です。編み機種を豊富に揃え、ほとんどの丸編生地種生産に対応。昔ながらの機械に改良を加え、代々と受け継いできた編み機を使い、絶対に真似できないテキスタイルを生み出しています。

・「バランサーキュラー」とは
丸和ニットには約70台の編み機があり、その中の7台が「バランサーキュラー」と呼ばれる改造編み機です。世界を探しても丸和ニットにしかありません。だからこそ他には真似することができない生地を作ることができます。

生地の特徴は・・・

・軽い
・伸縮性があるが型崩れしにくい
・裁ち切りが出来る
・裁ち切りがができるからこそ、洋服にした時に軽い仕立てができる

などなど、色々なメリットがあります。


丸和ニットとバランサーキュラーとの出会い

2000年に社長(辻さんの伯父様)が今まで見たことないヨーロッパ製の編み機を偶然発見し、購入を決めたところから、ものがたりは始まりました。その編み機を買った理由は、「形が面白かったから」だそう。簡単に言うものの、長年の経験による揺るぎない「勘」があったのではないでしょうか。

購入したものの、中古品には説明書がなく、操作方法は全くの不明。「これまでにないニットをつくりたい」という想いのもと、職人の方々が幾度となく改良を繰り返しました。なんと約5年間もまともに生地をつくることができず、完成に漕ぎつけたときには購入から10年後! やっと今の唯一無二の生地が完成したそうです。


■生地が完成しただけでは魅力は伝わらない

ところが、生地が完成しても、買い手にはその魅力が伝わらなかったそうです。世界でも丸和ニットにしかできない生地だということは間違いないのにも関わらず、様々なブランドにおすすめしても、すぐに使ってもらえる生地にはならなかったそうです。

どのようにしたら理解してもらえるのか・・・

ある日、取引先のブランドの製品が完成し、それを着用した時に初めてその生地の魅力が伝わったそうです! 口でどれだけ良いと言っても伝わらなかった。ですが、着てみれば歴然の着心地の良さ。世界中で丸和ニットでしか作ることのできない生地の伝え方は、「体感してもらう」でした。そこからさまざまなブランドに使ってもらうようになり始めたそうです。


工場内に潜入!

まずはバランサーキュラー以外の編み機を見学していきます。

基本的に編み機はこんな形をしています。ファクトリエ名古屋店にはこちらとはまた違った編み機が展示されています。

個人的に編み機を見て思うのは、幼いころ作っていた「リリヤン」です。皆さん作ったことございますか? リリヤンもニット編みなので、編まれる仕組みがイメージできますでしょうか?

こんなにも沢山の針が並んでいます。一針一針、下から上へと高速で動き、生地が編まれます。この針の出し方で、編み上がりが変わってきます
編み機の上には大きな糸巻きが沢山付いています
この糸巻きは4、5キロもするのだそう。持ち上げるだけでも大変ですね
こちらはまた別の編み機
ニットの生地を作る時は、糸巻きの糸がなくなる前に次の糸をつなげておく必要があります。辻さんはこの「糸つなぎ」を素早くできるようになるため、入社後3ヶ月間、部屋にこもり修行していたそうです

この方は若手の職人さんです。もちろん素早く糸つなぎができます

細やかな地道な作業の積み重ねで機械を動かす職人さん。辞めてしまった若手の人もいるそうですが、この方は、新たな生地を作り出すべく開発にも携わっています。辻さん曰く、「5年で編み機のことがようやく理解できるようになり、今の生地を作れるようになる。新しいものを開発できるようになるには20年以上かかる」そうです。

こちらはまた別の編み機

バランサーキュラー登場

様々な編み機を見て、ついにバランサーキュラーとご対面です!

参加者の声は・・・

「おぉ!」「かっこいい」「今まで見た編み機と違う!」「上に大きな糸巻きが乗ってる!!」

企業秘密のため、写真を撮ることはできませんので、代わりにタグを。バランサーキュラーのシルエットです。

今までの編み機と明らかに異なるのは最上部! 「ビーム」と呼ばれる大きな糸巻きが乗っています。

「ビーム」はこちら! 大きいですね! 今まで見た編み機と下部は同じようですが、その上に大きなビームが4つも乗っているんです!
ビームがあることによって唯一無二の生地を作ることができます

ここで基本的な生地の作り方をご説明します。

一つは織物、もう一つは編み物です。織物は経糸と横糸との二つの糸で作られたもので、基本的には伸縮性はありません。伸びないので丈夫な生地になります。

一方の編み物は、一本の糸をループにしながら連続的に編んだ生地のことで、ニットと呼ばれます。ループになっているので、可動域ができ伸び縮みします。ですが、織物よりも丈夫さに欠けます。その2つの方法の良いところをいかした生地を作ることが出来るのがバランサーキュラーなんです。


■編み物の伸縮性×織物の丈夫さ

ビームが上に付いていることによって、上から糸を垂らすことができます。編み機で編まれるニットのループの中に、経糸を通しながら編み上げていきます。編み物の伸縮性を持ちながらも、経糸を通して丈夫さも兼ね備える生地が出来上がるというわけです。ちなみに肝心なビームには、一巻きあたり480本ものナイロンの糸が巻かれています。

このような細い糸です。この距離で確認することが出来ないくらい細いです
バランサーキュラーで生地を作る前に、ビームの糸巻きの準備をしなければなりません。こちらのずらーーーっとならんだ糸巻き、左右240本ずつで計480本。ビーム一巻分です
バランサーキュラーを操る職人の内田さんです(画像左)

このように480本が巻かれています。この480本一巻きがバランサーキュラー一台に4本乗っています! その糸の本数はなんと1,920本!! その1,920本の経糸が通っていることによって、魅力的な生地が出来上がっています。


バランサーキュラー生地のものづくり体験!

バランサーキュラーの特徴の一つ「裁ち切りが出来る」をいかしたものづくりを行いました。

切るだけでできてしまう!
首に巻くだけで、ストールの出来上がり!
小さく切って、ヘアゴムに結ぶだけでヘアアクセサリーの出来上がりです!

皆様それぞれものづくりの体験を楽しみました。


全員参加の懇親会スタート!

今回は、全員参加の懇親会で見学ツアーのまとめを行いました。

やはり親戚の集まり感がありますね笑 可愛い参加者ちゃんも工場見学に大満足したご様子で、ダンスを披露してくれました
今回案内してくださった丸和ニットの原さん
辻さんが特技のマジックを披露してくださいました。全員が驚くクオリティの高さ!

まとめ:丸和ニットの人々が紡ぐ、世界唯一の編み機とのものがたり

どんなに貴重な機械があっても、それをいかす術は人が考えなければなりません。そして考えたことは伝えなければ意味がないということ。相手に魅力が伝わらなければ、どんなに良い技術や商品でも発展しません。

今回は営業の辻さん、原さんが丁寧に私たちをもてなしてくださいました。職人の内田さんは熱心に、私たちが理解できる言葉でお話ししてくださいました。作り手であり、伝え手のプロとして尊敬します。私たちファクトリエも、伝え手としての役割を務めなければならないと再確認した旅でした。

丸和ニットの皆様、お仕事中にお邪魔させていただき、誠にありがとうございました。

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