【社員紹介】Vol.11:岡田修二 ~“生産者とお客様は平等”。繊維商社で悩んでいた“ジレンマ”から解放されたメッセージ~

こんにちは。
ファクトリエのインターンの小宮です。

3月ももう終わり。
桜も咲き始めて、気温も暖かく感じる今日この頃ですが、みなさんいかがお過ごしですか?
4月から始まる新たな生活にワクワクしている人も多いのではないでしょうか。
いよいよ新年号も発表されますね!

さて、今回は月に一度お届けしている「社員紹介」です!

ご紹介するのは、この3月でファクトリエに入社して1周年を迎えた岡田修二さん。

ファクトリエの商品企画チームとして提携しているアパレル工場と協力しながら、最前線でものづくりをされています。

仕事をされている雰囲気から、まだ1年しか経っていないことに驚きを隠せません。 新しい環境にもかかわらず、ご活躍されている岡田さんはいったいどんな人物なのでしょうか。

岡田さんが考えるアパレル業界の現状やこれからのファクトリエで叶えたい夢まで、根掘り葉掘り聞いていきたいと思います!


<社員紹介シリーズVol.11>
岡田 修二

岡田さんの現在のお仕事は、主に商品企画や生産管理、さらに工場と連携して素材や縫製の仕様を決めたり、提案したりされています。
なので、ファクトリエのお仕事の中で、ものづくりに最も近い仕事ということになります。

岡田:「もともとものづくりが好きで、商品を作る上でも各工場のみなさんの得意な技術や設備だったりを生かせるように考えながら作っていく仕事っていうのは、すごく楽しくてやりがいを感じます」

そう気さくに話し始めてくれた岡田さんは、ファクトリエと出会う前は「繊維商社」で働いていたのだそう。

簡単にいうと、アパレルブランドと工場を繋ぐお仕事。
アパレルブランドの要望を、実際にそれを作る工場に依頼して生産するといった、言わば橋渡しのような存在です。

アパレルブランドと工場の間にいたからこそ分かることだったり、岡田さん自身が感じていたアパレル業界の現状など話してくれました。

そんな前職を辞め、ファクトリエで働くことになった経緯について、まずはから聞いていきたいと思います。


<ファクトリエとの出会い>
“工場を守りたい”そう思う商社マンが惹かれたのは「生産者に寄り添った考え方」

■前職で感じた工場の厳しい現状

岡田さんは工場とブランドの間で流通を担っていた立場から、実際に感じたことを話してくれました。

岡田:「間にいるからこそ色んなことが見えてきてしまうんです。
それこそアパレルメーカーの依頼に沿って正しい見積もりを出しても、相手にされなかったり。
そうするとどんどん安い値段交渉になって、そのしわ寄せが全部工場さんの負担になっていく」

どちらのことも取り持たなければならない状況の中、“これって本当に正しいことなのだろうか”と考えることが増えたと語る岡田さん。

ただ、少し聞きづらかったものの、聞いてみました。

「失礼かもしれませんが、そういうしわ寄せがきてしまうのって、中間業者がアパレルブランドに応えるために、工場に無理な価格で要求してしまっているからだと感じる部分もあるのですが・・・」

岡田:「そう見えてしまいますよね(笑)。でも、中期的な生産計画を約束したり、閑散期のキャパを埋めるために走り回ったり、クレームや値引きが発生した時はクッションにもなりました。
社風や人にもよりますが、間に入ることによって工場さんの壁になるというか。守りたかった。でも本当に難しい」

そんな現実に悩んでいたときに、「ガイアの夜明け」でファクトリエを知ります。
そして、たまたま訪れた(当時の)横浜元町店で、代表の山田さんに会って話をしたことから岡田さんのファクトリエ人生がスタートしたのです。

■“応援”という気持ちがいつしか“加わりたい”に変わる

それから、岡田さんはファクトリエの工場サミットやイベントに参加。
そうしていくうちに気持ちに変化が訪れます。

岡田:「今まで色んなブランドを中間業者としてみてきたけど、ファクトリエは応援したくなるブランドでした。
最初は“面白いブランドだな”と応援者のような気持ちで眺めていましたが、ファクトリエの「直接生産者と繋がるモデル」でも、工場とのやり取りがきちんとできる人が必要なのではないかなって考えていて。
そこでもうファクトリエ側から考えている自分にハッとしました」

そんな岡田さんの気持ちを最も動かしたのがファクトリエの“生産者に対する考え”でした。

アパレル業界に入って、服を一着完成させることさえすごく手間がかかることを身をもって実感した岡田さん。
だからこそ、ファクトリエの理念や活動に共感したそうです。

岡田:「ファクトリエの“生産者とお客様は平等”っていう考えはすごく響きました。間にいたからこそ感じていたジレンマから、やっと解放された気分でした」

そんな考えに全力で向き合おうと転職を決断。

それも、持ち前の明るさで“いっちょやってみるか!”みたいな感じだったと笑いながら話してくれました。

■知らない自分に出会えた1年間

この1年、ファクトリエに入って変化したことを聞いてみました。

岡田:「前職ではもっと工場さんから出される条件ばかりを優先して見ていました。
でもファクトリエに来てからは、“何か学びはないかな”とか“ひょっとしたら面白いものあるかも”と好奇心が増えましたね」

岡田さんはこの1年、お問い合わせがあった工場の商品や技術は必ず見ているそうです。

岡田:「以前だったら見ようともしてなかったことも、今は貪欲に見ています。
今までの知識は中途半端で、自分は何も知らなかったことに気が付いたからです。
こんな風に考えられるようになったのも、学習意欲が高いファクトリエの仲間の影響ですね」

そう話す岡田さんの表情はとても生き生きしていて、聞いている私まで楽しくなりました。


<岡田修二のお気に入り>
Factelier by RED RIVER
ずっときれいなコットンパンツ

様々なアイテムを展開しているファクトリエですが、スタッフは普段どんなものを実際に着て、お気に入りにしているのか。
その背景にあるストーリーと共に聞いていきたいと思います。

■コットンパンツ100本を抱えて岡山から東京へ

岡田さんのお気に入りアイテムは、水や汚れを弾く「ずっときれいなコットンパンツ」。
テレビなどでもたくさん取り上げられたあのパンツですね!

なぜこの商品なのか。その理由から聞いていきます。

岡田:「とにかく一番苦労したから。かなりの挑戦だったので工場さんとも企画の段階からたくさん話し合い、試行錯誤を繰り返しました。
僕もファクトリエに入ったばかりだったので、なかなかうまくいかないことがほとんど。
当時のことは一生忘れないですね。販売公開した日付の4月2日も。
なので、物がどうこうというより、この商品には“思い出”が溢れてるんです。
そんな想いが穿いた人にも伝わると嬉しいです」

その中でも印象に残ってるエピソードを伺うと、

岡田:「生産が追い付かず、時間が無かったので岡山県の児島まで取り行ったことですね。
商品が出来上がるのを待って、最終検品を手伝って、できたてのパンツ100本を抱えて岡山を飛び出しました。
東京に帰ったらすぐに銀座の郵便局から出荷したんです。大変でしたが、お客様に届いてこそのパンツなので、本当に良い思い出です」

そんな思い出がたくさんつまった「ずっときれいなコットンパンツ」も、今となってはファクトリエを代表する商品のひとつとなりました。

■PROOFECT(プルーフェクト)シリーズってなに?

「プルーフェクト」というのを最近ファクトリエのサイトでご覧いただいた方も多いかもしれませんが、これは「ずっときれいなコットンパンツ」に施されている独自の汚れないテクノロジーを「PROOFECT」と命名したから!

コットンパンツの他にこの加工技術を使った、ストレッチチノやワイドベイカーパンツが新しく商品に加わったので、“シリーズ”が付きました。

岡田:「コットンパンツが好評で生産が忙しかったので、なかなか新商品を作れていなかったのですが、やっと形になりました。
こうして“PROOFECT”といったシリーズの名前もできて、いつかファクトリエの定番として根付いていけばいいなと思います」

プルーフェクトのお話を説明していただく中で、この「プルーフェクト」の加工は、岡山県・児島のジーンズ工場「ジャパンブルー」のワイドベイカーパンツにも施されていることを知りましたが、ふと“これってすごいことなんじゃ・・・”と思いました。

なぜなら、もともとパンツ工場「レッドリバー」が持っていたこの撥水加工技術を、“他の”工場の商品に施したというのが、工場と直接つながっているファクトリエだからこそなのでは?と感じたから。

まだまだ新たな可能性を秘めている「PROOFECTシリーズ」に今後も目が離せません!
皆さんもぜチェックしてみてくださいね。

▼PROOFECTシリーズはこちら!


<座右の銘>
一期一会

その人が生きていく上で大切にしている言葉、道しるべのような言葉を聞いていきます。

岡田さんの座右の銘は「一期一会」。

意味は「一生涯にただ一度会うかどうかわからぬほどの縁、出会いを大切にすることのたとえ」。

この言葉を1年前に転職をしてから実感することが多くあったそうです。

■転職をして改めて“人との縁”を実感した

岡田:「さっきも話したように、ファクトリエに入ってから本当に大変で目まぐるしい日々だったんです。
そんな時に前職の上司や同期、後輩が相談に乗ってくれて、精神面でも実務面でもたくさん助けていただきました。
今までは一緒に仕事をする当たり前の存在だったので、特別に考えることはなかったんですけど、こうして離れた環境になって有難さを実感しました。本当に感謝でいっぱいです」

新しい商品を考える時も、素材や生地のことでアドバイスをいただいて、それがファクトリエの商品にも生かされていることもあるんだそうです。

そんな素敵なつながりに気づけたことが最大の収穫だったのかもしれませんね。

岡田:「それから新しい出会いにも刺激を受けています。代表の山田さんからインターンも含め、学習意識が高くて、みんな面白い。
月曜の朝に行う“ビジョントーク”も毎回面白くてワクワクしますよね。そんな出会いにも感謝したいです」

この1年は“人の縁”と“新しい出会い”にとても助けられた1年だったと振り返りながら話してくれました。

■心がけていることは“人との向き合い方”

出会いを大切にしている岡田さんは常に意識していることがあるそうです。

岡田:「ファクトリエに入って、たくさんの人と出会うのですが、僕はいつも“まっすぐに気楽に向き合うこと”を心がけています。
自分を大きく見せようと嘘をついても、結局自分がしんどくなるだけなので、素直に、ストレートに。
たまにストレートすぎてぶつかっちゃうこともあるんですけど(笑)」

と大きく笑う岡田さん。

前職の人がこんなに助けてくれるのも、ファクトリエのメンバーとして活躍されているのも、岡田さんの“人柄”があってこそのエピソードだなと聞いていて強く感じました。

絶賛就活中の私もこれを心がけてコミュニケーションを取っていきたいと思います!


<岡田修二の“語れる逸品”>
過去の思い出が今に至る、スチームアイロン
~アイロンがけは服との会話~

仕事の相棒のようなものだったり、なんか捨てられずにずっとあるものだったり。
そんな“語れる逸品”を聞いてみました。

■アイロンの決め手は“重み”

岡田さんは2週間に一度くらいのペースで、休日にアイロンがけを行うのが習慣。

岡田:「アイロンで大事なのは“重み”だと思ってて、今は軽いやつが多いと思うんですけど、ある程度の重みがないとシワも伸びづらいし、かけにくい。
僕が愛用しているのはこの「T-Fal」のもので、これはスチームの威力も抜群でもう10年以上使っています」

岡田さんのアイロンがけへの熱はまだまだ止まりません。

岡田:「アイロンがけって服との会話なんですよね。綺麗にプレスしようと思うと、結構向き合わないといけなくて、変なかけ方すると変なとこにシワがよったりする。
形やくせなどを理解してないと意外と難しいんですよ。それが面白いです。特に新しい服の時はウキウキします」

私はアイロンがけが面倒だと思っていたのですが、この話を聞いてからは、服をじっくり良く見ながらアイロンかけをしてみると、“ここはこんなカーブがあるんだ”みたいな発見もできました。

■思い出すのは幼き頃に見ていた母の姿

岡田:「僕が小学校の時に、母親は家で縫製の内職をやっていたんです。
なので、アイロンがけの姿やミシンのガタガタという音が日常だった。
その時のスチームの匂いとかもよく覚えています。だから今でもアイロンをかける時の匂いは結構好きですね」

昔を懐かしそうに思い返しながら当時のことを教えてくれた岡田さん。

岡田:「母はよくテレビ番組の『新婚さんいらっしゃい』を見ながらアイロンをかけていました。
なので僕も休日の昼過ぎにテレビを見ながらアイロンをかけている時間が特に癒されます」

なんだか心温まるエピソードでとても素敵なひとときですよね。

■内緒だったアルバイトでもアイロンの想い出が

すると、先ほどのスチームの匂いのお話から岡田さんは自身の「青臭い時代」のことを思い出して話してくれました。

高校はアルバイトが禁止だったので、家の近所にあった「縫製工場」でこっそり働いていたという岡田さん。

岡田:「家の近所だったらバレないだろうと思って(笑)。そこでアイロンがけをやっていました。
なのでスチームの匂いは高校時代のアルバイトも思い出します。
安い給料を持って、その工場にいた洋服好きの同級生と一緒に服を買いに行きましたね」

岡田さん曰く、スチームの匂いは“柔軟剤と水のカビ臭い匂いとコットンの匂いが入り混じった匂い”なんだそう。

そんな青春の一コマを思い出させてくれるスチームアイロン。

今使っているアイロンの機能面はもちろん、それよりも幼い頃から高校時代、そして現在の岡田さんに影響を与えている部分においても、“スチームアイロン”は岡田さんにとって大切な逸品ということがよく伝わってきました。


岡田修二のおすすめアイテム

最後に、岡田さんが今おすすめしたいアイテムを聞きました。
岡田さん自らに語っていただいたおすすめの理由とともに、ご覧ください。

【MEN・御幸毛織オーダージャケット】
¥63,720 (税込)

厳選された最高級素材の中から自分好みのファブリックを選び、自分の体に合わせて作る御幸毛織のオーダージャケットは、今年の春夏のおすすめの逸品です!ジャケットは“肩で着る”というテーラードの基本を守りながらも、究極の軽さを目指し、仕様・パターンの工夫がなされたこのジャケット。まるでシャツを着た時のような軽い着心地や快適さが特徴です。そして、この商品企画を始動するにあたり、作り手である「御幸毛織」、使い手であるお客様、そして伝え手のファクトリエ、それら三者が一緒になって企画した思い出の商品でもあります。


【WOMEN・今治タオル長袖シャツ】
¥15,120 (税込)

タオル地でできた肌触り抜群のウィメンズシャツです。メンズでも定番で展開しており好評なのですが、この度待望のウィメンズ型をご用意しました。肌に当たる部分のすべてにタオル地のパイルがくるようにデザインされているので、いつまでも柔らかく優しい今治タオルの着心地を感じることができます。軽くて、吸湿性に優れており、1年中愛用できるアイテムです。


最後に、この1年で大きな変化を経験された岡田さんに「1年前の自分に声をかけるとしたら何を伝えるか」を聞いて見ました。

岡田:「“お疲れさま”ですかね。不安も大きい中で、失敗もたくさんありましたが、やり抜いてくれたことは、今に繋がっているので。
でもまだまだこれからって感じです!」

そしてこの先の野望は、

岡田:「メイドインジャパンの工場を47都道府県制覇したいですね。まだまだ眠っている素敵な工場さんを見つけたい。
そして次のヒット商品を作ること。さらには、このファクトリエが考える、“作り手の想いを大切にした価値軸”がどんどん広がって、もっと真似されていけばいいなって思います!」

ファクトリエの商品は、工場とファクトリエの商品開発チームが一生懸命に作りあげたものばかりです。

今回書ききれなかった想いもまだまだありますので、岡田を店舗などでお見かけした際はぜひ熱い話を聞いてみてくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは次回もお楽しみに。

小宮

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